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本作はキャラクターが良く動き良く喋る。
岡田cozy本人が、
ペルソナシリーズは「キャラゲー」であると断言しているから何ら不思議では無い。
その為当初はどうしても受け入れられなかった顔グラも、
その点においては非常に効果的である。
達哉やゆきのさんが赤面する顔グラだけはちょっと無理だったが、
取りあえず受け入れられるようになって良かった。
ペルソナシリーズ=副島絵でもう大丈夫かもしれない。
シナリオについてはその当時流行していた言葉等を使っているので、
今プレイすると薄ら寒い感じがしてちょっと笑える。
前作でもチョベリバとか使っていたもんな。
主役が流行に左右され易い高校生である以上仕方が無いのだろう。
ある意味ペルソナの伝統とも言えるかもしれない。
モブキャラを含めると膨大なテキスト量で、
いちいち会話を聞きに廻ってしまう癖がある人間にはなかなかキツかった。
だがそれは嬉しい悲鳴。
噂を操作出来る、操作する噂によってイベント等が変化する、
等のシステムは本当に面白かった。
プレイヤーの一存でほんの一部とは言え、
ストーリーを左右する事が出来るのはなかなか楽しかった。
その一方で伝説のメリケングラブの噂を悪魔から全く入手出来ずに大変な目に合った。
悪魔から得られる情報はコンスタントに聞けるようにしておいて欲しかった。
文字送りのスピードをコンフィグで設定出来たら良かったのに。
いちいちボタンを押すのは面倒だ。
だがどこでもセーブ&ロードはやはり楽で良いな!
戦闘は相変わらずテンポ良く、とはいっていない。
長いダンジョンになれば苦痛も感じる。
だが金子デザインのペルソナがいっぱい眺められると思えば良いんだッ!
合体魔法が面白かった。強力な上、見た目も派手で楽しかった。
発動が楽に出来るように戦闘順を記憶させる事が出来たらもっと良かった様に思う。
それからペルソナの変異がもう少し起き易かったら嬉しかったなぁ。
全ペルソナ召喚&全ペルソナに
変異による魔法を付与する(他ペルソナへの変異は除く)という、
下手にプレイ内容を縛っちゃったから苦労した。
楽しかったけどさ!!
恒例の悪魔との会話は楽しかった!やはりペルソナやメガテンの醍醐味は会話なのだよ!
その反面FOOLカード入手で苦労させられたが。
悪魔からのコンタクトを拒否出来ない点は面倒でいただけない。
そして悪魔との契約数がもっとあれば。3つはちょっと少なかった気がする。
もう一つの醍醐味である悪魔合体は今回排除されてしまった。
それは正直残念で仕方が無い。
召喚が完全な作業になってしまう気がした。
ペルソナシリーズのキャラクターは相変わらず濃かった。
栄吉は恰好良くて可愛い。
心に残る台詞も彼は多く残してくれた。
生徒会長を殺された後の
「死ぬ時だって前のめり! それが漢ってもんだ!」等が良い例だ。
前作のキャラに会えた事も心の底から嬉しかった。
単純に皆の元気な姿を見られた事で安堵すらした。
ゆきのさんに関してはパーティメンバーになってくれたし。
愛する人の死、と言う出来事を経験してもなお彼女は前を向いてくれた。
そんな彼女を誇りに思うぞ!
ただ、藤井もゆきのさんを想っていたという設定を知った時はもう哀しくて哀しくて。
こっちが立ち直れなくなりそうだった。
安西先生もとい轟所長の中の人がキョウジだという事に、
クリアするまで全く気付いていなかった。
こういう細かいネタにすぐ反応して気付ける人が羨ましい。
だってペルソナシリーズでは直接デビルサマナーとリンクしていない筈だったのに。
マークがキョウジのトレーナーを着ていた事が懐かしく思い出された。
他にも東亜ディフェンスの口笛店主が渋過ぎる。
もちろん店主の息子も将来が楽しみだな。
とにかく物凄くメッセージ性の高いゲームだったと思った。
情報過多で何でも知ってしまった、分かってしまった気になった人々が
夢を抱く事が出来なくなってしまった。
結局それは何も無いって事で、やっぱり生きて行く事に虚しさがあるんだよ。
だから夢を与えてくれる人、物、そして生きる理由が分かる未来にすがりつきたくなる。
このゲームはそれを良しとしない、抗う道を選ぶ訳だけど、
現実でそうなったらやっぱり多くのモブみたいに流れに身を任すんじゃないかな。
だってやっぱり楽だから。
ただ、ゲームを終えてみたら少しはもがいてみるのも良いなって思えた。
エンディングについては自分の中で賛否両論があった。
決してハッピーエンドでは無い中に、
別の時間軸においての出会いがあって
その後のストーリーに希望を持てるようになっていた点。
その一方でここまでプレイして来てまさかの舞耶死亡エンドとか、鬱過ぎるだろ!!と。
この約235時間40分の消化不良の想いをどうしてくれる!と若干なってしまった。
しかし不思議なもので、だからと言ってこのエンディングが嫌いでは無いんだよな。
やはりこう言う所が他のゲーム会社には無いシナリオの良さなんだろう。
フィレモンの存在も非常に不安定なものになってしまった。
前作や今までは力を貸してくれた人だったが、
今作で腹に一物を抱える人と言う認識になった。
最後に現実を変える方法を教えてくれたのだって、
彼の実験の一つなんじゃないかと思えるぐらい。
それぐらい彼の存在が分からないものになってしまった。
フィレモンが達哉だって事は、
もちろんニャルラトホテプも達哉自身と言う事になるのだろうか。
つまり、この物語全ては人間が自ら作り上げたものであるとなるのではないだろうか。
業とは何と深く恐ろしいものか。
今作の発想には本当に驚かされるし感心する。
シナリオ担当の里見氏は良い意味でも悪い意味でも、
ベタな展開が好きだったり自己顕示欲が強かったり色々するんだけれど、
やっぱり構成力もあるし素晴らしいライターだったと思う。
正直に言えば、里見氏のシナリオが大好きだッ!!
ただ、どうしても許せない事がある。
何故マークとアヤセを出さない!!
これだけは許せない!!アヤセ大好きなのに!!
最後に。お気に入りのペルソナを紹介して終わろう。
- HIEROPAHNT:ゲンジョウ
- DEVIL:ダイロクテンマオウ
- CHARIOT:ギリメカラ(メガテン史上、最高レベルに可愛い。)
- EMPEROR:バール
- CUP:バッカス(タルが可愛い。)
- DEATH:アンクウ(文句無し!)
- DEATH:カロン(デザインはデビサマ仕様なのかな?)
- EMPRESS:カーリー(前作のデザインを模してて嬉しかった。)
- JUDGEMENT:サタン(やっぱ最高デザイン。)